縦に伸ばすか横に広げるか

 仕事や様々な活動を、今後どのように進めていくべきか、その方向性を議論する際は、「横に広げる」のか、それとも「縦に伸ばす」べきなのか、ざっくりと、この「」と「」の二通りに分けてその方向性を検討します。
 仕事や活動を「横に広げる」というのは、例えば、ビジネスの規模を拡大して、仮に顧客単価は変更せずに、裾野や間口を広くしようという発想です。
 一方、「縦に伸ばす」というのは、サービスや商品の価値を高めて、顧客単価を上げるという発想です。

 この「」と「」という考え方は、私たちの身近にある自動販売機のコイン投入口にも、「」と「」の二種類があり、考え方も似ています。

 近所の清涼飲料水自販機や食堂の券売機の硬貨投入口が横向きなのに対し、駅の切符券売機などは、投入口が縦になっているのを意識したことはありませんか?この「」と「」という方式の違いは、求められる機能の違いから、機械内部の硬貨識別の方法が異なっていることが、理由とされています。

縦型コイン投入口】 今や大勢の人たちが、電子マネーを使う時代になっていますが、いまだ多くの人が利用する駅の券売機は、並んでいる人を素早くさばく機動性が求められます。重要なポイントは、硬貨が投入口から入ってから、商品が出てくるまでの時間の短縮にあります。  そのために、選ばれるのが「縦」の投入口で、硬貨は縦の方が転がりやすく、識別機に入るスピードも早い。しかし、その一方で硬貨投入時に勢いがついてしまうことから、硬貨識別装置自体も大型にせざるを得ないという短所があります。

横型コイン投入口 他方、清涼飲料水などの自動販売機は、人が並ぶことは少なく、硬貨の投入スピードは、比較的重要ではない。ここで大事ポイントは、売り切れ商品を出さないための商品スペース確保にあるといいます。
 硬貨を横に投入する場合は、硬貨はゆっくりと滑り落ちるため、装置に入るまでには時間がかかるが、硬貨識別装置は薄型、小型のものを利用することができ、内部のスペースを節約することができるのだそうです。

 求められる機能の違いによって、「」と「」を使い分けてる自販機ですが、このような視点から、身近な仕事や活動を再検証してみるのもおもしろいのかもしれませんね。

管理人
コロナ禍で、ここ数か月に実施してきたネット予約による「みつけ・ふれあい食堂」のお弁当配食。予約開始早々、数時間で限定食数に達し、申込が終了といった状況が続いています。嬉しい反面、何か心苦しさが残ります。さあ、来月10月から再開する「みつけ・ふれあい食堂」のお弁当配食事業、今月28日に開催される食堂会議でも「縦」と「横」、必要に応じ「斜め」のような議論が交わされるかも知れませんね。